始まりのふたり






「ねぇアマンダ、あの水平線の向こうには何があるのかな?」

「お母さんは、怖いものがたくさんいるって言ってた。」

「怖いもの・・・お化けとか?」

「あはは、はお化けなんてまだ信じてるの?」

「し、信じてない!例えばよ、例えば!」

「ふーん、どうだか。」

「もう!ひどいわ、アマンダ!」

「・・・・、私はいつか海の向こうに行こうと思っているの。」

「え?」

「あと3年・・・17になったら私はこの島を出るわ」

「そんな・・・海は危険だって教えられてきたじゃない」

「そうね、でも行きたいの」

「家族はどうするの?テトだってまだ小さいのに」

「だから、3年後よ。その間に身の回りの整理をするわ。」

「でも・・・」



「・・・何?」

「このことをあなたに一番に聞いてほしかった。そして、一緒に来てほしいの」

「アマンダ!?」

「返事は今すぐじゃなくていいの、3年待つわ」

「そんな」

「私のやりたいことを全部話すわ。きっとも海に出たくなるわよ。」

「でも、そんなこと考えたことないのに・・・」

「私には、あなたが必要なの。大丈夫よ、じっくり考えて。3年かけてあなたを口説き落とすわ。」

「・・・・・・・・・」






水平線に消えていく太陽を背に、少女たちの物語は始まる。





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